© Reborn-Art Festival 2024
Production Zomia
アーティストやキュレーター、そのほか芸術に関わるアジアの専門家ネットワークとして2021年に結成。 近年の活動に、「水の越境者(ゾーミ)たち -メコン地域の現代アート」(2021年、船場エクセルビル、大阪)を企画。
「ゾミア」とは、東南アジア大陸部(ベトナム、カンボジア、ラオス、 タイ、ミャンマー)及び中国南部の山岳地帯とその地の人々を意味し、オランダの歴史家ウィレム・ファン・シェンデルがチベット語やミャンマー語の「Zomi(高地人)」に因んでそのように定義した(ジェームズ・C・スコット『ゾミアーー脱国家の世界史』)。彼らは、国家による課税、兵役、奴隷等のいかなる支配から逃れ、分散/移動と口承伝承をその特徴とする。また、アニミズムを信仰し、平等主義的な社会を構築しながら、暮らす人々である。なお、そのゾミア世界の一部人々には、平野を追われ、山岳地帯に移住した人々と、海や川に逃亡し、「水のゾミア」を通じて、移動し続けた人々がいるという説がある(中沢新一『アースダイバー 神社編』)。
アピチャッポン・ウィーラセタクン
1970年、タイ・バンコク生まれ。タイ北東部コンケンで育つ。1994年から映画やビデオの短編作品を作り始め、2000年に初の長編作品を完成させる。カンヌ映画祭の4つの賞を含む、多くの映画祭で賞を獲得。2006年、『世紀の光』が第63回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門に出品。2010年、『ブンミおじさんの森』が第63回カンヌ国際映画祭でパルム・ドール(最高賞)を受賞。2021年、『メモリア』が第74回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映され、審査員賞を受賞。1998年以降、様々な国で作品を発表し、シンガポール・ビエンナーレ(2008年、シンガポール)、「ドクメンタ13」(2012年、カッセル、ドイツ)、「シャルージャ・ビエンナーレ11」(2013年、シャルージャ、アラブ首長国連邦)を含む多数のビエンナーレに参加。ウィーラセタクンの作品は、しばしば非線形で、強い価値転倒を生じさせ、記憶を扱い、個人的な政治や社会問題を扱っている。
2005年には、タイの文化省から、タイで最も権威のある賞の一つであるシルパトルンを授与された。2008年には、フランスの文化大臣から芸術・文学勲章シュヴァリエのメダルを授与されており、2011年には、同じ分野でもう一つの名誉であるオフィサーメダルを、2017年にはコマンドゥールメダルを授与されている。
イルワン・アーメット&ティタ・サリナ
イルワン・アーメット(1975年生まれ)とティタ・サリナ(1973年生まれ)は、インドネシア・ジャカルタ出身のアーティスト・デュオとして、2010年より活動。
1500万人の人口を抱える巨大都市での生活と現代の大規模な権力闘争の中で、戦略的なアプローチと表現を展開している。彼らの作品は、公共空間に介入し、都市開発、生態系の諸問題、政治的抑圧、植⺠地時代の遺産、生態系資源の搾取に関する問題について、鋭い社会批判を行っている。近年の主な展示に、「バンコク・アート・ビエンナーレ」(2020年、バンコク、タイ)、「The Ring of Fire (2014 - ongoing)」(2019年、NTU Centre of Contemporary Art Singapore、シンガポール)、「Gotong Royong. Things we do together」(2017−2018年、ウジャドゥスキー城現代美術センター、ワルシャワ、ポーランド)など。
アウン・ミャッテー
1973年、ミャンマー・マンダレー生まれ。アーティスト、インディペンデント・キュレーター。幼少の頃より父親のもとでブロンズ彫刻の修行に励む。国営美術学校で美術教育を受け、ヤンゴンの芸術文化大学にて美術学士を取得。アメリカ、ヨーロッパ、アジアで国際的なレジデンスを行い、さらに研究を重ねる。美術講師として活動しながら、現代美術に見られる表現の自由の可能性を探求し、伝統的な造形に現代的な感覚を取り入れ、社会的なメッセージを表現している。SOCAオルタナティブ・アート・ラーニング・プログラムの創設者であり、ミャンマーのアートコミュニティではアーティスト兼キュレーターとしてもよく知られている。近年の主な展示に、「Consciousness of Realities」(2019年、Myanm/art Gallery Space, ヤンゴン、ミャンマー)、「Dining-Room Opera」(2014年、Rooster Gallery、ニューヨーク、アメリカ)、「Calling Memory」(2012年、黄金町バザール2012、横浜、日本)など。
ティントン・チャン
1982年、台湾・台北生まれ。台北とロンドンを拠点に活動。インスタレーション、映像、演劇など様々なメディアを用いたコラボレーション・プロジェクトで知られる。2011年にロンドン大学ゴールドスミス校で修士号を取得した後、国際的な展覧会に参加。キューブ・プロジェクト・スペース、國立臺北教育大學北師美術館、台北市立美術館で個展を開催し、広州トリエンナーレ、台北ビエンナーレ、サーチ・ギャラリー、コンプトン・ヴェルニー美術館、ウェルカムトラストのグループ展やコミッション・プロジェクトに参加している。主な受賞歴に、第19回台新芸術賞、台北芸術賞2020、香港アートセントラルRISE賞2016、VIA芸術賞2016、王立彫刻家協会バーサリー賞2015などがある。作品は、台北市立美術館、アートバンク、香港基金会、ロンドンブラジル大使館、JM SRコレクションメキシコ、ヨーロッパとアジアの個人コレクションで見ることができる。
メッチ・チューレイ&メッチ・スレイラス
チューレイとスレイラスは、姉妹で作品制作を行なっている。どちらも1990年代生まれのカンボジア現代アートの次世代を担う作家であり、Sa Sa Art Projectsの卒業生でもある。
メッチ・チューレイ(右) 1992年、カンボジア・カンダル州生まれ。プノンペンを拠点にアーティスト、ドキュメンタリー映像作家、フリーランス・ジャーナリストとして活動する。
メッチ・スレイラス(左)1993年、カンボジア・プノンペン生まれ。2018年、王立プノンペン大学のメディア・コミュニケーション学部でメディア・マネジメントの学士号を取得。2017年には、彼女の写真がCultural Visa Photo competitionで2位に入賞し、ニューヨークのギャラリーで展示される。
近年の主な展示に「The Mekong is blue and dried」(2021年、Sea Junction、BACC、バンコク)、「Elements」(2020年、Sa Sa Art Projects、プノンペン)等がある。
モンティカ・カムオン
1999年、タイ・サムットプラーカーン生まれ。映像作家。映像の可能性、そして歴史を検証しながら、複数の未来を提示するため、映像技術の可能性を探求している。
また、演劇やダンスなど、身体を扱う分野にも興味を持ち、それらを映像に取り入れることで、非言語の「語り」によって、言語の境界を越えようとしている。主な展示に、2021年「Crypto for Cryptids」(バンコク、タイ)、「Talk-Talk-Vilion」(バンコク、タイ)など。
協力:アウラ現代藝術振興財団、Artport株式会社、紀南アートウィーク
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